3月4~8日に開催された日本農芸化学会大会(札幌)において、食品栄養科学部4年(開催当時、現薬食生命科学総合学府博士前期課程1年)の小川真依さん、薬食生命科学総合学府博士前期課程2年(当時)の髙田こはるさんの発表演題が、それぞれ大会トピックス賞を受賞しました(受賞は4月10日付)。
本大会では、生命?食、環境の農芸化学分野からなる1,786演題から、社会的インパクトや科学的レベルなどの観点において特に優れた30演題が表彰されました。小川さん、髙田さんはいずれも食品分野での受賞となりました。
本大会では、生命?食、環境の農芸化学分野からなる1,786演題から、社会的インパクトや科学的レベルなどの観点において特に優れた30演題が表彰されました。小川さん、髙田さんはいずれも食品分野での受賞となりました。
5月に届いた2名分の賞状を持つ小川さん
○小川真依さん(食品化学研究室)
演題「海底熟成中に進行するワインのフレーバー変化メカニズム」
(小川真依、鈴木知依、伊藤圭祐、寺田祐子)
演題「海底熟成中に進行するワインのフレーバー変化メカニズム」
(小川真依、鈴木知依、伊藤圭祐、寺田祐子)
沈没船から引き揚げられた170年前のワインがおいしく飲めたことをきっかけに、海底に一定期間沈めた「海底熟成ワイン」が世界各地で作られるようになりました。しかし、海底熟成によるワインのフレーバー変化については、国内外のグループが精力的に研究してきたものの、科学的エビデンスは未だ示されていません。本研究では、独自に考案したワインモデル溶液を用いることで、海底熟成によるフレーバー変化および、熟成メカニズムの一端を解明することに成功しました。 |
○髙田こはるさん(食品化学研究室)
演題「匂い感知メカニズムに基づく“肉らしさ”判別AIの開発」
(髙田こはる、辻凌希、寺田祐子、伊藤圭祐)
演題「匂い感知メカニズムに基づく“肉らしさ”判別AIの開発」
(髙田こはる、辻凌希、寺田祐子、伊藤圭祐)
近年、世界的な食肉需要の増加、健康志向や地球環境への意識の高まりなどから、大豆などの植物性食品や培養細胞を原料とする代替肉が世界の食のトレンドを席巻しています。しかし、代替肉の価値として最も重要な“肉らしい風味(=匂い)”には明確な基準がなく、開発者や消費者の主観によって曖昧に評価されているのが現状です。本研究では、匂い感知に関わるヒト嗅覚受容体の応答パターンをAIによって解析することで、牛肉、豚肉、鶏肉の“肉らしい風味”を客観的に評価?判別できることを示しました。 |